こんにちは。
介護業界で働いて10年目の管理職、ユウです。
未経験でもなれるのかな?
若い人が多いイメージだけど中堅な私でもイケるのかしら?
ということで今回は、
「福祉用具専門相談員がどんな職種か知りたい人」
「自分にできるか不安な人」
のために、福祉用具専門相談員の良いところも悪いところも全部赤裸々にお伝えしていこうと思います!
- この記事を書いているぼくは介護業界に勤めて10年目
- 福祉用具専門相談員として実際に働いていたこともある
- 面接官として実際に採用や人事にも携わっている
さらに今回は、福祉用具専門相談員歴15年以上の大ベテランにも執筆に携わってもらっているのでかなり信憑性が高いかと思います。
本記事を読めば福祉用具専門相談員についてのおおよそのことがまるっと把握できるようになります。
また、記事後半には面接の攻略法まで解説していますので是非、最後までお目通しくださいませ。
【介護転職】福祉用具専門相談員とは?
利用者の身体状況や住宅環境に合わせて適切な福祉用具を選定する人のことです。
前述した通り僕も福祉用具専門相談員として一定期間働いていましたが、率直に一言で言うと楽しかったです。
もちろん環境で大きく変わると思いますが。
女性も増えてる印象
また、「福祉用具専門相談員と関わる外部の業者」という立場からも10年間見てきました。
その中で特に最近感じるのは女性の相談員が増えてきたなという印象です。
後ほど解説しますが、女性にとってハードルとなっていた力仕事も実は選び方さえ気をつければそんなに問題じゃありません。
福祉用具業界の将来性
介護業界が完全なるIT化が難しいのと同様に、福祉用具自体も無くなることはないでしょう。
- 逆にもっとたくさんの種類の福祉用具が開発されて市場が大きくなることが予想されます。
その時には必ず精通した人が必要になります。
福祉用具専門相談員は中途が多い?
数字化したデータは無く、感覚値で申し訳ないのですが、福祉用具専門相談員になる人は新卒よりも中途が多いです。
もちろん、会社や地域によって差異はあるでしょうが、ぼくが10年色々な地域で見てきた限り圧倒的に中途採用が多いです。
そして問題無く中途入社で成績を出したり、役職に就いたりしています。
よくある質問:力仕事になる?
福祉用具専門相談員と言うと、「納品」のイメージが強いかと思います。
介護に携わる中で福祉用具専門相談員との接点があるのがこのタイミングだからです。
担当者会議で同品交換したり、施設に車椅子や介護ベッドを搬入したり。
なので力仕事が不安な人は転職先を絞る際にはそこに注目すると良いです。
実際に福祉用用具専門相談員として働く人達
YOKARO樹脂ヘッドボードの追加画像です。
ちょっとした物を置く台として有用ですね!
以前は木製の宮台付きボードもありましたが、重くて傷つきやすくて扱いが大変でした…。でも、これでスッキリ!!YOKAROベッドの納品時には、このスペースも考慮して設置位置を決める必要がありますね。 https://t.co/JC3sRixnqM pic.twitter.com/cNfBT0Mve1
— れんくる@フリーの福祉用具専門相談員 (@renkuru3399) November 14, 2021
単なる配達屋さんから今の会社に入って福祉用具と出会い、面白さを覚え、来年1月からは貸与事業所に転職します。
関数使って遊ぶのも楽しいです。
マルチに活動していきたいです。— SAI《福祉用具卸でICT化を志す足軽》 (@SAI47948584) June 15, 2021
福祉用具専門相談員の5つの仕事内容
- その①:営業
その②:提案
その③:納品・説明
その④:モニタリング
その⑤:計画書の作成
上記のとおりです。
それぞれ順番にサクッと解説していきます。
福祉用具専門相談員の仕事内容(1):営業
本丸と言っても過言ではない福祉用具専門相談員のメイン業務です。
主にケアマネと呼ばれる仲介者に営業をかけます。
基本的にはどの福祉用具業者も営業を行います。
ただ、実は営業をしない福祉用具の働き方もありまして、後述しています。
福祉用具専門相談員の営業のコツやノウハウは下記の記事で解説しています。
当サイトの人気記事です。
※参考:福祉用具専門相談員のケアマネ営業【コツと求められるスキルも解説】
福祉用具専門相談員の仕事内容(2):提案
ケアマネや利用者、またはその家族に適切な福祉用具の提案を行います。
広い見識が求められますね。
この提案力も福祉用具専門相談員の重要な要素です。
もちろん最初の方は自分で都度調べながら、または先輩に聴きながら取り組んでいきます。
福祉用具専門相談員の仕事内容(3):納品・説明
提案が通ったり、ケアマネから依頼を受けたら、用具を納品します。
このフェーズで製品の説明や契約等々を行います。
- 最初は緊張しますが、出る商品はおおよそ似通ってくるので回数をこなすうちに慣れてきます。
福祉用具専門相談員の仕事内容(4):モニタリング
無事に納品が終わったら定期的に用品をチェックしに行きます。
またケアマネに経過の報告も行います。
福祉用具専門相談員の仕事内容(5):計画書の作成
選定した福祉用具を利用してもらってどんな悩みを解決して、どんな目標を立てているかを書類に落とし込みます。
マストで行う業務です。
こちらも最初の方は作成に四苦八苦しますが次第に慣れます。
ぼくも最初の方は先輩から何回もつき返されました。
福祉用具専門相談員の給料事情
出典:みんなの介護求人
上のグラフのとおり、介護職員より高いケースが多いです。
そして『給与額』に関しては、グラフの調査時期より今はもっと高いです。
高いところで月収26万円くらいで、だいたい年収で言うと350〜400万円くらいが相場です。
そして後ほど解説しますが、歩合や昇給でガツンと上げる人も多いです。
- ぼくが知ってる人はゴリゴリと結果を出してボーナスで100万円くらいもらってました。
介護業界もしっかりとした会社を選ぶことができればまだまだ捨てたもんじゃありません。
残業はあるの?
ほとんどの福祉用具業者に残業は付き物だと思った方が良いです。
事実なので隠さず伝えます。
これが先ほど言った、給料が上がる要因の一つ目です。
ただ、能力と意思の強さ次第ではノー残業も可能です。
実際僕が働いていた福祉用具業者では10人中2人はしっかり定時に上がっていました。
歩合制なところが多い
インセンティブ(歩合)制度を導入しているところがほとんどです。
タイプ的には「完全歩合制」ではなく、ある程度の基本給が確保されている場合がほとんどです。
逆に売上をあげればあげるほど、ケアマネから新規を貰えばもらうほど給料が上がるので大きなやりがいにもなり得ます。
ノルマはあるの?
歩合制と聞くと気になるのが「ノルマ」ですよね。
結論は、あるけど、「目標」に近いところがほとんどだと思います。
ただここは会社によって変動するかと思うので事前に確認しておいた方が良いですね。
福祉用具に必要な資格【未経験でもOK?】
結論は、下記のいずれかの資格を所有していないと働けません。
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 作業療法士
- 理学療法士
- 福祉用具専門相談員
だいたい未経験の場合、「福祉用具専門相談員」を取得して業務にあたることになります。
なぜなら1番簡単に取得できるからです。
- テクノエイド協会がやっている45時間の講習を受けて筆記試験をパスする必要があります。
筆記試験はかなり簡単なので心配なく。
また、ミライケアカレッジやニチイが同様の講習を開催しています。
この講習はもちろん誰でも受けることが可能です。
入社してから取るのがおすすめ
転職前に取得していると、気持ち採用率が上がるかもしれませんが本当に気持ち程度です。
実際に働いていた経験とは異なり、あまり実用性がないからです。
独学で変な知識をつけるよりまっさらな状態で先輩に聞きながら取る方がより馴染みやすいです。
付随する資格
福祉用具専門相談員の資格を取得したあとは、「福祉用具プランナー」や「福祉住環境コーディネーター」等のプラスアルファの資格もあるので一応お伝えだけしておきます。
ただ、これらを持っていてもそこまで恩恵は無いかもです。
自己研鑽のために学ぶのは全然アリだと思いますが。
よくある質問:ケアマネの要件は満たせる?
結論は、満たせません。
介護福祉士も同様です。
また、逆にケアマネの資格を持っていても福祉用具専門相談員として働くことは不可能なので、講習を受ける必要性があります。
繰り返しになりますが、ある程度介護経験がある中堅は、福祉用具専門相談員として働く上でかなり有利です。
理由は下記の3つの付加価値があるからです。
- その①:安心感
その②:介助力
その③:提案力
こちらも深堀りしていきます。
介護福祉士が福祉用具専門相談員をする利点(1):安心感
介護業界未経験で入ってきた新人と比較すると、利用者やその家族、ケアマネからの安心感が桁違いです。
それはもちろん依頼や関係構築に大きく影響します。
仕事がしやすくなります。
僕も若い時は早く歳を取りたくてしょうがなかったです。
介護福祉士が福祉用具専門相談員をする利点(2):介助力
福祉用具専門相談員がいくら相談業務と言っても、現場では実際に介護を必要とする場面が無数に存在します。
車椅子を納品した時やベッドからの移乗だけではなく、ふとした瞬間に突然現れることも。
- そんな時にサラッと介助できたりするのはポイントがめちゃくちゃ高いです。
もちろんガッツリするのはNGですが、技術を持っているということは大きな優位性になります。
介護福祉士が福祉用具専門相談員をする利点(3):提案力
福祉用具専門相談員としてのキャリアがなくても、介護現場で活躍していた経験は絶対的にプラスになります。
むしろ福祉用具畑だけでしか働いたことがない人よりも多角的に、現場目線で提案ができます。
福祉用具専門相談員としての3つのやりがい
- その①:仲間の存在
その②:1人で完結できる
その③:誰かの役に立てる
上記のとおりです。
それぞれ順番に解説していきます。
福祉用具専門相談員としてのやりがい(1):仲間の存在
個人プレーが故に同僚や先輩後輩との助け合いが活きてきます。
他の介護サービスとの大きな違いですね。
(サポート等は別ですが。)
なので良いも悪いも全て自己責任。
他人に責任転嫁できない状況にあるので、意外と切磋琢磨しあえるんです。
福祉用具専門相談員としてのやりがい(2):1人で完結できる
先ほどと重複しますが、1人で最初から最後まで完結できる点はかなりやりがいになります。
誰にも邪魔されず、左右されずに仕事ができるのは大きなやりがいに繋がります。
福祉用具専門相談員としてのやりがい(3):誰かの役に立てる
綺麗事に聞こえるかもですが、まじで大切です。
- 自分が選んだ福祉用具や自分が提案した住宅改修が上手くいって利用者やケアマネから感謝されるのは何よりも大きなやりがいになります。
誰でもない自分のパフォーマンスですからね。
下記の記事では、逆に福祉用具専門相談員のきついところを余すことなく解説していますので併せてどうぞ。
※参考:【体験談】福祉用具専門相談員として働いてわかったきつい所8選【利用者の持ち過ぎには注意】
補足:営業経験は転職にも有利
そして万が一、また転職するタイミングが来ても「営業経験がある」もっと言うと「結果や実績を残せている」と言う点は大きなアドバンテージになります。
なぜなら基本的に会社は利益を求める集合体だからです。
自社の売り上げを上げてくれそうな人は採用の優先度も自然と高くなります。
先ほどご紹介した記事をお目通し頂き、ガツンと実績を残してください。
追記:『支援』という道もある
大手の福祉用具業者には「支援」と言うポジションが存在します。
前述したとおり、力仕事や雑務をこなすイメージです。
- 言葉通り、福祉用具専門相談員が営業をガンガンかけて、その後のサポートをする感じです。
あまり求人には出回っていませんが、中を覗いてみると結構あります。
なので営業が苦手な人とかにおすすめです。
福祉用具専門相談員に向いてる人の3つの特徴
- 可愛らしい男性
- 気遣いができる人
- 車とかが好きな人
上記のとおりです。
ぼく(外側からの視点)と、15年のベテラン(内側からの視点)で出した特徴です。
それぞれ順番にサクッと解説していきます。
福祉用具専門相談員に向いてる人の特徴(1):可愛らしい男性
個人的に強く思います。
最初に言っておくとベテランや女性がダメなわけでは決してありません。
むしろ後者の方を好む方もたくさんいらっしゃいますので。
あくまで客観的な目線と統計から言うと若く可愛い男性はそれだけで得です。
利用者もそうですが、ケアマネから特に気に入られやすいです。
福祉用具専門相談員に向いてる人の特徴(2):気遣いができる人
そしてケアマネや利用者からの評価も高く結果として、次の依頼に繋がったりします。
福祉用具専門相談員に向いてる人の特徴(3):車とかが好きな人
車とかメカが好きな人は、商品を単純に覚えやすいです。
また、基本的には車の運転をずっとすることにもなりますし、そういった意味でも車好きはアドバンテージがあると思います。
よくある不安:記憶力
記憶力に関しては個人差がありますが、2つ言えるのは「体験すれば割と覚えられる」と言うことと、「興味がある」という点で大きく左右されるということです。
法律や制度の暗記と異なる点でして、比較的覚えやすいかと思います。
また、福祉用具自体に興味がある人であれば年齢や記憶力等はあまり関係ありません。
なので転職を考えた時にある程度興味があるかどうかは必ず自問自答した方がいいと思います。
「好きこそものの上手なれ」ですね。
意気込み次第で年齢はある程度許容されます。
いきなりレッツゴーはどんな人にも無理です。
福祉用具専門相談員への転職で失敗しないコツ:面接攻略
以下の3つのポイントを転職前、面接事にでも必ず確認してください。
- その①:横割りの設置
その②:残業を隠さない
その③:スタッフの表情
こちらも深堀りして解説していきます。
以下の3つのポイントを転職前、面接事にでも必ず確認してください。
【福祉用具への転職】チェックポイント(1):横割りの設置
先ほどご説明した「支援」や「事務員」が存在しているかを確認しましょう。
- 自分が万が一営業をしたくなった時の保険になる可能性もあります。
そして何より横割りで仕事が分担されている=ホワイト企業である可能性が高まります。
【福祉用具への転職】チェックポイント(2):残業を隠さない
冒頭でおお話しした通り、福祉用具の業者のほとんどは残業があると思っていいです。
なのでそこを隠さずにいってくるかを確認しましょう。
月平均で30時間くらいまでが許容範囲です。
【福祉用具への転職】チェックポイント(3):スタッフの表情
面接事にわざとトイレを借りにいったり、もしくは普段何気なく近所を通ってみたりしてスタッフの表情を確認しましょう。
言わずもがなですがやばいところは顔に必ず現れますので。
面接攻略:実際の面接官の声
実際のベテラン面接官に聞いてきました。
サンプル1として参考になれば幸いです。
ベテラン面接官が面接で見るところはズバリ『目を見て話せるか』だそうです。
「いや、もっとちょうだい!」
と思うかもですが、しっかりとした理由と背景があるのでサクッと解説していきます。
- 挙動不審じゃないか?
- 緊張せずに人と話せるか?
- ハッタリをかますことができるか?
目を見て話せるかは上記の項目を同時にチェックすることに繋がるそうです。
全て福祉用具専門相談員のメイン業務である「対ケアマネジャーへの営業と利用者とのコミュニケーション」に影響する項目です。
未経験者でもこのベースができていれば何も問題ないとのこと。
先ほども触れましたが、福祉用具などの商品知識等はあとから覚えればいいだけの話なので。
逆に一発アウトになりかねない、気をつけるべきポイントが「清潔感」です。
遅かれ早かれ利用者やケアマネジャーに醜態を晒すことになるからです。
補足:転職エージェントはマスト
転職する際に、プロ(転職エージェント)の力を借りるのはマストです。
そしてできるだけ早い段階から準備を行うと、その分転職の成功率がガツンと上がります。
資格取得を無料サポートしてくれるところもあるのでチェックしてみてください。
介護(福祉用具)系に強い転職サイト・転職エージェント3選
大手を中心に2〜3個くらい登録しておけばOKです。
多すぎると管理も大変だし、うざいですからね。
上記の3サイトに関しては下記の記事で詳しく解説していますので併せてご覧下さいませ。
※参考:【介護系に強い】おすすめの転職サイト・エージェント比較!業界人が選ぶのはここ
転職にはリスクがつきものですが、転職活動にはリスクがありません。
転職のプロの話を聞きき、「転職しない」と決めるのも良しです。
上手に活用してブラック企業を避け、ホワイト企業を選ぶ確率を高めましょう。
動き出した人から変わっていきます。
おわり。
コメント