こんにちは、ユウ(@yuyuhoimin)です。
介護業界で働いて11年目、管理職をしています。
なんか宣戦布告しにいくみたいで気が引けるし、びびりますよね。
ただ、事業所の運営において同業他社の動向や変化を把握しておくことはとても大切です。
じっさい昔、同業他社への営業をサボってた時に大きな機会損失がありました‥。(記事中で詳しくお話しします。)
それを防ぐためにも同業他社と関係を構築しておくことと、競合調査をする能力は欠かせません。
ということで今回は、
「同業他社への営業をやるべきかわからない人」
「介護業界での競合調査のやり方がわからない人」
のために、同業他社に営業することの必要性やメリットと、実施する上での注意点から具体的な方法まで実体験をベースで丸っとお伝えします。
- この記事を書いているぼくは介護業界に勤めて11年目
- 月の最高新規獲得数は36件で事業所の売り上げを倍に
- 全国1,000件以上の居宅に営業
- 営業部の所長を経験
この記事をよむことで同業他社との関係構築がすすみ、介護業界での生存率がガツンと上昇します。
見つけたら教えてください!それを超える情報を追記したいので!
介護事業者は同業他社にも営業すべき?
結論は絶対にするべきです。
なぜなら冒頭でご紹介したとおり、近隣の同業他社と関係構築をはかれていないと大きな機会損失を生む可能性がきわめて高いからです。
また、それだけではなく他者とパイプができていると当然新規の受け渡しも起こりやすくなるのでメリットしかありません。
それぞれもう少し深堀りして解説していきます。
同業他社と関係構築する目的(1)撤退時の受け入れ
同業他社と関係構築をしておくことの最も大きなメリットは撤退時に、ガッツリと利用者を獲得することができるところです。
昨今の介護業界の閉鎖率は軒並み上がっていますよね。
参考:東京商工 「介護事業者」の倒産が過去最多 価格転嫁が難しく、大規模な連鎖倒産も発生」
上のグラフのとおりです。
実際に現場で働く管理者の方々は肌で感じているのではないでしょうか。
規模が小さい個人の居宅介護支援事業所なんかではよくみますよね。
割と定期的に起こる閉鎖や統合、(また新規で立ち上がる事業所もありますが)その際に閉鎖する事業者は利用者を振る必要があります。
その時の受け皿として自社がスッと入ることができれば一気に利用者が増えます。
関係構築がバッチリとなされていることに加えて、受け入れ時の「対応」も重要です。
上記の2点があるとさらに受け入れがしやすくなります。
ぼくもその時は閉鎖する2ヶ月くらい前から準備や対応をしていました。
また、関係構築ができていると自分では思っていても撤退等のセンシティブな情報はなかなかもらえなかったりします。
以前あったのは、同行他社にも入っている派遣の看護師さんから情報を聞いたケース。
即アプローチにいきました。
撤退の受け入れはスピードが命ですので、その意味でも定期的に情報交換やヒアリングができる間柄になっておくことが肝要です。
以前情報を入手した時期が遅すぎて、他の同業に根こそぎもっていかれたことがあります。
同業他社と関係構築する目的(2)受注経路を増やす
もうひとつ目の理由は普通に同業他社・競合から新規の依頼がくるということです。
何かしらの理由で手放さないといけないケースがあります。
例えば、希望の曜日や時間をどうしても確保・調整ができなかった時とか。(←ぼくの経験ではこれが最も多かったです。)
例えば困難事例です。
ただ、それを対応することで、他社に対してある種「貸し」を作ることにもなってその後に持ちつ持たれつに発展する可能性もあるので一概には言えませんが。
しっかりと事業所の方々と相談して決めるのが良いです。
繰り返しになりますが、関係構築がすすむと思った以上に新規の相談が来ますよ。
とは言え居宅営業が優先です
ここまで同業他社への営業および関係構築の必要性とメリットをお話ししてきましたが、このまま同業他社への営業に全力を尽くすのはおおいに違います。
やはり最優先で営業すべきはケアマネ擁するきは事業所です。
理由は単純で、そっちの方が新規受注の確率が高まるからです。
同業他社から流れてくるにしても元々はケアマネから他社に依頼があったわけで、大本を獲ることの重要性は言わずもがなです。
もちろん撤退の匂いがしたり、仲良くなって食事や飲みに行く間柄になったら話は別ですが。
基本的にはそれくらいが丁度良いと感じています。
毎月行くとさすがにうざがられますし、何か疑われます。
なので、基本はケアマネに営業にいくことを忘れないでおいてください。
ケアマネ営業に苦戦している方は、下記の記事でガッツリと解説していますので併せてお目通しください。
10年間の営業見識をギュッと詰め込みました。
しっかりと実行していただければ月10件以上の新規依頼が来るはずです。
>>ケアマネへの営業に関する悩みや疑問を網羅的にまとめて解説していく
【介護業界】競合調査の注意点
続いては同業・競合へのアプローチで注意するべき点と間違ったやり方をお伝えしていきます。
- ①:探りに来たことを気づかれる
②:面会のハードルが高い
③:情報の漏洩と一線
④:過去のしがらみ
上記のとおりです。
前述したように目的を達成するどころか事業所の運営にとってマイナスになりかねません。
しっかりと把握しておいてください。それぞれ順番に解説していきます。
競合調査の注意点(1)探りに来たことを気づかれる
競合調査の目的は当然情報収集なわけですが、
「なんか怪しい‥」
と思われたらそれ以降なかなか関係構築が進まなくなってしまいます。
なぜなら人の第一印象は最初の3秒で決まるからです。
なので、同業他社との関係構築はいかにファーストインプレッションを良いものにするかにかかってきます。
間違っても出会ってすぐに利用者の数や最近の取引先の増減なんか聞かないでくださいね(笑)
しかし中々同業他社に営業にいく人は少なく、どうしてもたどたどしい営業になりがちです。
じっさい僕は同業営業いきますが、まわりの業者さんはほぼ行っておらず、よく相談を受けます。
それだけハードルが高いと感じられているので緊張したりするのも無理ないですよね。
そしてアプローチをうける業者もおおよそは把握しているはずですので。
ただ、知っておいてもらいたいのは同業他社も同様に競合の情報を欲しているということです。
なのでやり方さえ間違わなければ割とサクッと仲良くなれたりします。
話をもどしますが、それでもやはり最初の入り方は重要です。
「探りに来た」
以外の印象を与える作戦を立てましょう。
なぜなら何の面識もなく行くのはやはりハードルが高いからです。
それでも行く必要があるので、その状態でのアプローチの仕方はあとで解説します。
ただやはり時間や工数もかかり何より難易度も高いです。
なのでできれば1回どこかで面識を作ってから訪問できれば成功率がガツンと上がります。
例えば懇親会です。
- 地域の情報交換や親睦を深める名目で実施されている懇親会やそに類するイベントに参加して挨拶名刺交換を済ませて軽くトークを済ませていると、それ以降、かなりすんなりとアプローチできます。
なのでそういったイベントで偶発的に同行と遭遇する際は敵対せず面識を積極的に作っておきましょう。
コンビニとかでも会う確率高いですからね。
ぼくなんかコンビニで見つけたら会釈から入っていけそうだったら会話しにいきます。
競合調査の注意点(2)面会のハードルが高い
前述した通り他社も同業が来る理由はおおよそ把握しているので、業者によっては中々面会までこぎつけないことがあります。
なので間違っても最も忙しい時間帯に訪問しないでください。
あなたやあなたの会社に対するイメージが悪くなり、それ以降さらに面会してくれなくなるからです。
「あぁ、あそこの会社は空気読めないから今後もかかわりたくないな‥。」
と思われます。
ひどい場合だと受付の人に
「あそこの人が来たらいないって言っておいて!」
と言われることも。
面会できないのが続くと次第に
「もういいや‥。」
となってしまいがちですので。
競合調査の注意点(3)情報の漏洩と一線
最初の難関をクリアして関係構築が進んできた段階で注意すべき点が、情報の漏洩と超えてはならない一線の位置です。
いわずもがなどちらもリスクが巨大です。
逆に他社に自社の情報を与えすぎてハード・ソフト両面で対策されたり。
一線とはつまり自社のガイドライン的なものです。
- もっと細かく言うと例えばですが、利用者をふるかわりにポケットマネーでいくら払うとか、ケアマネを紹介する代わりに‥とかです。
ガイドラインは務める会社のそれによって異なりますのできちんと確認しておくことをお勧めいたします。
ただ多すぎると圧迫感を与えかねないので調整も必要です。
個人的にはできればひとりないし二人まででおさえておくべきかと。
リターンに対してリスクが大きすぎますので情報の漏洩と一線を超える行為はさけてください。
自分のためにも。
競合調査の注意点(4)過去のしがらみ
これまでご説明してきた内容を一発で吹っ飛ばすのが、過去のしがらみです。
企業間の過去の因縁や、経営陣同士のトラブルなど。
会社が大きくなればなるほど、したまで降りてこないこともあるので、事前に確認はしておきましょう。
数ある同業他社の中で一社二社あっても全然おかしくありません。
そこを知らないと逆に訪問してクレームになったり、激昂されてつき返されたり、塩をまかれたりするかもしれません‥。
過去に取引があったのに、数年依頼がこない‥。
こんな時は1回何かトラブルがあったのではないかと疑った方がいいです。
自社でトラブルを起こした張本人は退職してうやむやになってるケースもあると思うので。
そう言う時はしっかりと謝罪して、改善策を提示して‥。
等々ありますが今回はテーマが違うので割愛させていただきますが。そ
れだけ過去の遺恨や負の遺産というのは大きいものなのです。
介護事業者の同業他社への営業方法:関係構築する手順
それでは最後に介護事業者向け、同業他社と関係構築をスムーズに行う手順をシェアします。
先に結論から言うと下記のとおりです。
- 手順①:訪問は夜に‥
手順②:ノベルティを渡す
手順③:次の予定は昼のランチに
手順④:連絡先を交換してもらう
手順⑤:情報共有を(まずは自分から)
こちらもひとつずつ深堀りしていきます。
具体的なアクションプランになっていますのでマネしやすいと思います。
ひとつずつ確実に実行していってください^ ^
同業他社へのアプローチ手順(1)訪問は夜に‥
まずは先ほどもお話しした訪問する時間帯についてです。
個人的におすすめなのが夜(夕方)です。
なぜなら先方が最もリラックスしている時間帯だからです。
仕事が終わって一息つくタイミング。
気が張ってる日中よりも格段に受け入れてもらいやすくなるのでおすすめです。
次点でお昼休憩中ですが、仕事終わりのほうが圧倒的におすすめです。
ここまで言うと
「じゃあ残業しろってこと?」
と質問されそうですが、そのとおりです。
誰もがやりたがらないことをやるからこそ差別化が可能になります。
どうしても残業してない人はリスクがありますがお昼休憩を狙うと良いでしょう。
同業他社へのアプローチ手順(2)ノベルティを渡す
訪問時間が決まったら何か、少しでも先方が喜ぶものを用意しましょう。
ノベルティ以外でももちろんOKです。
前述したおとり、第一印象が大切ですので少しでもそれをよくするためです。
そしてできればさりげなく自然にできると良いです。
例えばケアマネ用に配布している付箋などの事務用品。
「余ったので‥。」
みたいな感じですね。
そしてここで先ほどお話ししたガイドラインの話に戻って
「でもそれって賄賂にもなるんじゃ‥?」
という疑問を抱くかもいらっしゃると思います。
難しいところです。
それで言うとケアマネに配布している次点でそうとらわれたりしますので。
- 感覚的にはケアマネに会社が配れと渡してくれたものであれば、責任を会社に置くことができるので(笑)大丈夫かと個人的には思います。
どうしても不安な場合はもの以外で先方が喜ぶことを考えましょう!
どちらにせよ手土産が印象を良いものにすることは間違いありません。
同業他社へのアプローチ手順(3)次の予定は昼のランチに
ここまでクリアできた人は、より深いところまで入っていける段階にいます。
ずばり次はランチに誘ってください。
もちろんそれを言い出せるまでの関係性を構築できてからになりますので初回でいきなり誘うのはNGです。
食事をしながら他に誰もいないところだと驚くほどリラックスできて、色々な話をすることができます。
1番いいのはやはり飲みにいくことですが。
- 実際に何回か同業他社の管理者の人とかと飲みに行ったことがありますが、仕事に対する思いや、会社に対する気持ちなどかなり踏み込んだ話ができました。
いきなり
「お酒飲みますか?」
は厳しいので、ぼくは話の中で普段の生活や休日の過ごし方を聞く中で、おいしいお店やお酒の話が出たタイミングで話すようにしていました。
同業他社へのアプローチ手順(4)連絡先を交換してもらう
このフェーズは正直さきほどの手順③より前でも、同時でもOKです。
会社携帯や会社のアドレスでもいいですが、できればプライベートの連絡先を交換できるといいです。
そっちの方が、会社を抜きにした付き合いを求めていると感じてもらえてよりコアな情報を話してくれる可能性が高いからです。
あとじっさいにそっちの方が連絡がとりやすかったりします。
特に休日の連絡は事務的な感じが抜けてよりリラックスした状態でコミュニケーションがとれるので、おすすめです。
関係構築が進んでいないと返事が返ってこなかったりしますが。
ここもいきなりではなく、距離感をみつつ実施してみてください。
- 今は連絡をとりあうツールが多く存在するので、基本的に相手に合わせられるようにメジャーなものはあらかじめインストールしておくとスムーズです。
そこでもたついて結局交換できなかったりするケースもありますので。
また最近ではSNSを連絡ツールとして活用するケースも増えてきていますので、こちらも同様にメジャーどころは押さえておくのがベターです。
最低限上記はあらかじめインストールしておきましょう。
同業他社へのアプローチ手順(5)情報共有を(まずは自分から)
ラストのフェースです。
正直手順の④と③の前にでもできるっちゃできます。
できそうな時は全然上記のタイミングでしていただいてOKです。
そして情報共有をする時ですが、基本的に自分から情報を開示・提供するようにしましょう。
なぜなら情報を与えられた側は、返報性の原理が働いて同じレベルの情報を提供してくれやすくなるからです。
ここも前述したように、しっかりと自社のガイドラインを見極めつつ慎重に行ってください。
まずは当たり障りのない、小さな情報から共有していくのが鉄則です。
ここまで言うと
「それで向こうから返ってこなかったら?」
という質問が来そうなので事前にお答えしておきます。
結論は、それでもするしかありません。でなければ何も先にすすまないからです。
相手の出方を伺ってまってばかりじゃ埒があきません。
介護業界は制度の改正もあり、どんどん変化していきます。
行動を起こすならそれこそ他社よりも早く。そして行動を起こせたことでそれが自信にも繋がります。
同業他社は一社だけではありませんし、ガンガン行動するのみです。
繰り返しになりますが、同業他社と関係構築をすすめることができれば、さまざまなメリットが生まれます。
そしてほとんどの業者がそこまでしようとしません。
なのでこの記事を読んだあなたはここで終わりにして欲しくありません。
ぜひ実際に一歩踏み出して成功体験を報告聞かせてください。
Twitterでお待ちしております。
輝く介護職ライフを^ ^
おわり。
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