こんにちは、ユウ(@yuyuhoimin)です。
訪問入浴に従事して10年目、管理職をしています。



ということで今回は、
「訪問入浴の看護師の仕事内容が知りたい未経験者」
「訪問入浴における医療行為について理解を深めたい経験者」
のために、訪問入浴の看護師の役割やよくある質問を網羅的に解説しています。
訪問入浴の様々な疑問が解決できるようになっています。
- この記事を書いているぼくは訪問入浴歴10年
- 訪問入浴の外部研修の講師をしたりしてます
※参考:医師法第17条等の解釈
また、実際に訪問入浴で働いている看護師さんにインタビューした動画も用意しましたので気になる方は併せてご覧くださいませ。
リアルな話が聞けます。
それでは下記から本題です( ˆoˆ )/
訪問入浴の看護師の仕事内容
- その①:記録
その②:更衣介助
その③:洗体介助
その④:軟膏類の塗布
その⑤:状態観察と共有
その⑥:バイタルチェック
その⑦:医療用具への対応
上記のとおりです。
それぞれ順番に解説していきます。
訪問入浴の看護師の仕事内容(1):記録
記録は病棟や、介護施設、
デイサービスなど全ての仕事での必須業務です。
訪問入浴は看護師1人と
介護スタッフ2人でチームを組みますが
基本的に記録は看護師が行います。
記録するタイミングはだいたい
- 利用者宅
- 事務所
- 車中
上記のいずれかで
いかに時間を効率的に使うかで残業時間が大きく変動します。
内容はバイタルや特記事項等でそこまで難しくありません。
10年前は用紙へつど記載していましたが、
昨今では電子媒体への入力が増えてきています。
下記の記事でさらに詳しく解説しています。
訪問入浴の看護師の仕事内容(2):更衣介助
入浴前後の衣類の着脱介助を行います。
麻痺がある人など
様々いるのでスキルの見せ所です。
利用者のADLや状態によって看護師1人でやったり、
介護スタッフに手伝ってもらったり。
訪問入浴の看護師の仕事内容(3):洗体介助
洗髪は介護スタッフがするところがほとんどです。
洗顔から手先足先までくまなく洗います。
基本的にはタオルを使って洗体します。
訪問入浴の看護師の仕事内容(4):軟膏類の塗布
入浴後に保湿剤や
痒み止め等々の塗り薬を塗布します。
訪問入浴の看護師の仕事内容(5):状態観察と共有
皮膚状態やその他もろもろ状態の観察をします。
変化等々ないか確認し、
『連絡ノート』などを使って訪問看護やケアマネジャーと情報を共有します。
訪問入浴の看護師の仕事内容(6):バイタルチェック(血圧や脈拍には中止基準がある?)
入浴前後にバイタルを測定します。
測定項目は下記のとおり。
- 体温
- 血圧
- 脈拍
- SPO2
- 呼吸数
また看護師はバイタルチェックからの入浴の可否判断も行います。
その際に基準となるバイタルの数値ですが、下記の記事で詳しく解説しています。
訪問入浴の看護師の仕事内容(7):医療用具への対応
訪問入浴を利用されている方は
医療依存度が高く、
介護度も重たい方が多いです。
なので必然的に医療用具を使用している人も多くなってきます。
これらへの対応も仕事内容に含まれますが、
管理や対応をしていいものとそうでは無いものがあります。

【訪問入浴の看護師】よくある7つの質問
- その①:お昼ごはんは?
その②:どんな服装でするの?
その③:荷物の搬入は手伝うの?
その④:手袋しないで素手でするの?
その⑤:医師の指示書は必要ないの?
その⑥:憤りを感じる人はいないの?
その⑦:医療行為についての考え方を教えて!
上記のとおり。
こちらもひとつずつ解説していきます。
訪問入浴の看護師に関するよくある質問(1):お昼ごはんは?
事業所や日によって異なりますが、コンビニでとることが多いです。
お弁当を持っていくとコンビニの駐車場で食べたり、時間がある時は事業所に戻って食べたりです。
夏は車内の温度も半端ないので保冷剤をお忘れなく。
訪問入浴の看護師に関するよくある質問(2):どんな服装でするの?
支給されない場合は下記を参考に。
パンツ:ストレッチの効いた色が濃いもの
トップス:ポロシャツ
インナー:エアリズムorヒートテック
特に履きやすく脱ぎやすい「カカトの無い靴」はマストです。
訪問入浴ではお宅への出入りがかなり多いです。
ブーツや紐をいちいち結ばないといけない靴は厳禁です。
また靴下はかなり濡れやすいので、
着替えと併せてストックを用意しておくこともおすすめします。
下記の記事でさらに深堀りしています。
訪問入浴の看護師に関するよくある質問(3):荷物の搬入は手伝うの?
こちらも事業所によって異なりますが、多少は手伝います。
浴槽を担いだりはないので安心してください。
持つとしたら、ホースか排水モーターくらいです。
ナースバッグはもちろん看護師が持ちます。
訪問入浴の看護師に関するよくある質問(4):手袋しないで素手でするの?
結論は、ケースバイケースです。
基本的にはタオルで洗体しますが。
浴槽を洗う洗剤が少し強かったり、
皮膚が弱い人はつけたほうが良いです。
また感染症を罹患している利用者へのサービス提供時も必須です。
会社や業者によってもかなり違ってきます。
下記の記事でリアルな声を集めてさらに詳しく解説しています。
訪問入浴の看護師に関するよくある質問(5):医師の指示書は必要ないの?
結論は、不要です。
- 訪問看護と違い指示書が無くても問題なくサービスを開始することができます。
ただ、「指示」は必要な場合があります。
下記の記事で指示が必要なケースと
指示を仰ぐことのメリットデメリットまで解説していますので、
気になる方はチェックしてみて下さい。
訪問入浴の看護師に関するよくある質問(6):憤りを感じる人はいないの?
います。
じっさいに、
一緒に働いていた看護師が
訪問看護ステーションに転職した事例もありました。
看護師はいろいろな場所でそのスキルを活かすことができるので
トライしてみて合わないと感じれば移動しちゃうのが吉です。
訪問入浴の看護師に関するよくある質問(7):医療行為についての考え方を教えて!
医療行為は基本的にNGです。
なぜなら医療行為は医師の指示に基づいて行うからです。
前述したように訪問看護が医師の指示書がなければ
サービスを提供出来ないのと同様です。
しかしながら老々介護や
その他の様々な状況下で求められるケースも出てくるのが現状です。
また家族ができない場合は医療的管理は訪問看護が行います。



以下から「できる事」と「できない事」を詳しく解説していきます。
訪問入浴の看護師がやっちゃいけない医療行為5選
- その①:摘便
その②:痰の吸引
その③:酸素量の調整
その④:針の抜き刺し
その⑤:カテーテルの抜き差し
上記のとおり。
こちらも深堀りしていきます。
訪問入浴でNGな医療行為(1):摘便
基本的には禁止です。
しかしグレーゾーンでもあります。
入浴前にオムツを外す時に出かかっていたりすると
入浴に付随するケアとして行うことも。
訪問入浴でNGな医療行為(2):痰の吸引
原則として禁止です。
ただし医師から指導を受けた介護スタッフや、
緊急時は主治医に確認した手順で行う場合があります。
- 吸引が頻繁に必要な利用者の場合は入浴の前後に家族に実施してもらうのが一般的です。
病院から退院する前に
事前に家族に病棟看護師から指導がある場合が多いです。
また家族の対応が困難な時は訪問看護に前後に入ってもらいます。
訪問入浴でNGな医療行為(3):酸素量の調整
勝手には触れません。
しかし入浴を安全に行うためには必要でして、
その場合医師の指示が必ず必要です。
訪問入浴の利用者は
在宅酸素を使用しているケースも多々あります。
入浴前や入浴中のSPO2を確認しつつ、
必要量を調整します。
訪問入浴でNGな医療行為(4):針の抜き刺し(cvポートの処置)
CVポートやIVHの針の抜き差しやヘパリンロックは禁止です。
後者のパターンが多いです。
また感染症に充分気をつけながら
防水等の予防処置をして入浴するケースもあります。
詳しくは下記の記事で解説しています。
訪問入浴でNGな医療行為(5):カテーテルの抜き刺し
バルーン等のカテーテルの抜去は禁止です。
万が一抜けてしまった場合は医師や、
訪問看護の指示を仰ぎつつ到着を待ちましょう。
訪問入浴の看護師がやってOKな医療行為5選
- その①:爪切り
その②:髭剃り
その③:褥瘡の処置
その④:ストマ装具の交換
その⑤:保護材や固定テープ
上記のとおり。
見ていきましょう。
訪問入浴でOKな医療行為(1):爪切り
爪そのものに異常がなく、
皮膚の炎症や可能がない場合は可能です。
整容の範疇に当たります。
訪問入浴でOKな医療行為(2):髭剃り
理美容師法により刃物が扱えないので、
剃刀はダメですが電気シェーバーならOKなところが多いです。
訪問入浴でOKな医療行為(3):褥瘡の処置
基本的には医療行為に当たります。
が、専門的な判断や技術が必要でないガーゼ交換等はOK。
- 訪問入浴の看護師が行う場合は、主治医と訪問看護の指示を仰ぎ連携の上行うのはOKというか、ほぼ全ての訪問入浴業者が褥瘡の処置は行っているのが現状です。
訪問入浴でOKな医療行為(4):ストマ装具の交換
皮膚保護機能を有するストマの交換はOK。
考え方としてはフィルムやオムツの交換、
排泄介助と同様になる感じです。
パウチの交換と患部の洗浄ですね。
訪問入浴介護の一環として扱われます。手
順は下記のとおり。
- 手順①:つけたまま入浴
手順②:上がる前に外して洗浄
手順③:新しいパウチを貼る
下記の記事で詳しく解説しています。
訪問入浴でOKな医療行為(5):保護材や固定テープ
バルーンを固定するテープだったり、
気管切開部分のベルトの交換、
ガーゼ交換等かはOK。
入浴中に濡れたりしますので。
まとめ:訪問入浴の看護師は医療行為しない
まとめます。
訪問入浴での医療行為は大原則として禁止。
- 必要な医療行為は基本的に家族が行う→家族ができない場合は訪問看護が行う
です。
訪問入浴の看護師ができる医療行為が
上記のとおりです。
訪問入浴も数ある仕事の中のひとつ
訪問入浴の看護師はできることが制限されて
前述したとおり、憤りを感じる看護師もいます。
一方で逆にやることが狭い方が働きやすく、
責任も軽くなるのもメリットになり得ます。
後者に強くメリットを感じる人は訪問入浴が適しています。
- 看護師は日本の中にある無数の仕事の中でもかなり選択肢が広く柔軟に働くことができる職種です。
たくさんの働き方を経験しつつ、
自分にあった仕事を見つけてみて下さい。
- 訪問入浴も会社によって、もっと言うと事業所によって色が全然違います。
同様に自分に合うところを見つけてみて下さい。
訪問入浴は「強くてニューゲーム」しやすい
訪問入浴の看護師は派遣や
単発で働く人も少なくありません。
訪問入浴に必要な看護スキルは働けば働くほど積み上がっていきます。
医療行為への理解やスキルもそうですが、
基本的に一度覚えてしまったら他の事業所・会社でも活かすことができます。
自分にあった職場が見つかるまで探しやすい仕事です。
また、職場選びの精度を上げたいなら転職・派遣サイト選びから拘った方が良いです。
以下から訪問入浴に適した転職・派遣サイトを紹介していきます。
訪問入浴に強い看護師の転職・派遣サイト
上記のとおりです。
それぞれサクッと解説していきます。
前述したように訪問看護ステーションもグループにあり信頼感が非常に高いです。
また、応援ナースにも特化していて期間限定の求人や高給与案件が多いのも特徴です。
もっと詳しく知りたい人は下記の記事でさらに深堀りしていますので参考にどうぞ。
※参考:【単発・派遣に強い】看護師におすすめの転職サイト・エージェント3選
訪問入浴会社のほとんどが派遣を利用しています。
繰り返しになりますが、職場選びが肝心です。
しっかりとサポートしてくれるサービスを使って自分にあった事業所を見つけてみてください。
おわり。
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